ススメ！シンデレラロード（浅利七海編）2話
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fukapanman 2019年03月20日(水) 02:12:26履歴
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 | 『〇月×日。曇り。 海には、怖い魔物が棲んでいるのれす。 魔女たちの密会が始まるのれす……。』 |
| （暗転） | |
 | カフェ |
 | 七海 きょろきょろ。ささっ。 岩陰を走るカニさんのように――。 むっ。そろそろ現れるころれす……。 |
 | 泉 お待たせ、七海ちゃん。 データ、持ってきたよ。 |
 | マキノ フフ、心配無用よ。 誰かにつけられるなんてヘマはしてないわ。 |
 | 七海 しーっ。 はい、ほかには誰もいないようれすね……。 それで、マキノさん！泉さん！どうだったれすか？ |
 | 七海 七海は、あの番組のことがよく知りたいのれす。 七海はどうしても、 オーディションを突破しなければならないのれす！ |
 | マキノ そんなに焦らないで。 はい、お待ちかねの諜報結果。……やはり世間の印象どおりよ。 制作側も、かなり本格派を意識しているようね。 |
 | マキノ おおまかなところは、こっちの資料に、 泉がわかりやすくまとめてくれているわ。 さて……ここからがマキノ・レポートの真髄よ。 |
 | 七海 ごくり、なのれす……。 |
 | マキノ 番組のこだわりは相当みたいね。 イメージに合わないタレントは、容赦なく降板されているわ。 せっかく釣りあげた大物であっても、ね。 |
 | マキノ 一度、番組を追放されたが最後、 芸能界を干物のように干されてしまう、というわ。 |
 | マキノ オーディションも、半端な心構えで足を踏み入れようものなら、 二度と帰ってこられない――。 『芸能界のバミューダトライアングル』と呼ばれているわ。 |
 | 七海 ……そ、その後、 その人たちは、どうなってしまうのれすか……？ |
 | マキノ ウワサでは、切り身にされて、 サメの餌にされてしまうとか……。 |
 | 七海 〜〜〜〜ッ！？ |
 | 泉 ……と、まあ、こんな荒唐無稽なお話も出てくるくらいだけど、 実際は――。 って、七海ちゃん、聞いてる？ |
 | 七海 お、おお、恐ろしいのれす……！ 七海みたいな稚魚は、 すり身にされて、お団子にされてしまうのれす……！ |
 | 七海 こうしちゃいられないのれす。 DHAをたくさんとって、たくさんお勉強するのれす！ |
 | 泉 ……だ、大丈夫かな。 まさか本気にしてないよね……？ |
 | マキノ さぁ、どうかしらね？ |
| （暗転） | |
 | 女子寮 |
 | 七海 えー、えぬ、おー、ぴー、える、おー……。 うぅぅ……英語のつづりは難しいのれす……。 |
 | 七海 でも、七海が目指すのは、ただのお魚博士じゃないのれす。 知的で品格のあるお魚博士、なのれす！ だから、英語のつづりも完璧にするのれす！ |
 | 七海 れすけど……むむぅ〜……。 頭が、もずくになるのれす……。 むぎゅ〜……。 |
 | ネネ 大変！ 七海ちゃんが、まるで浜辺に打ち上げられた お魚のようになっちゃってます！ |
 | ありす ここは、私たちの出番ですね。 少々、不本意ですが……与えられた役はこなします。 では、以前入手したこのぬいぐるみで……。 |
 | ありす つんつん。七海さん。七海さん。 私はニシキアナゴです。あなたと遊びにきました。 |
 | 伊吹 ありすちゃん、それじゃ硬いって。やるなら、こうだよ！ アタシはイソギンチャクだぞー！襲っちゃうよー☆ それっ、こしょこしょこしょ〜♪ |
 | 七海 うへ、えへへへへ……♪ あっ……！ |
 | 七海 わぁ〜！ お魚のぬいぐるみがたくさんれす！ クマノミさん、エンゼルフィッシュさんもいるれすね！ |
 | 七海 ニシキアナゴさんの胴体はれすね、 砂の中に長〜く埋まってるのれすよ〜。 どれどれ……。 |
 | ありす ひゃっ！？ な、七海さん！ どこを触ろうとしているんですかっ！ |
| （暗転） | |
 | 部屋の外 |
 | マキノ ……なるほど。 七海、再起動、と。 興味深い行動パターンね。 |
 | 泉 もう。マキノさんったら、人が悪いんだから。 |
 | マキノ あら。私は、実際に流れている噂を話しただけよ。 もっとも、あそこまで怯えて、必死に勉強をしようとするとは 想定していなかったけどね。 |
 | 泉 ねえ、マキノさん。 私の近くにちょっと似た子がいるから なんとなくわかるんだけど……。 |
 | 泉 七海ちゃんに、ああいうお堅い勉強って……本当に必要なのかな。 |
| （暗転） | |
 | 七海 ひゃ〜、大漁なのれす〜♪ |
 | （終了） |
ファタ・モルガーナ
ガイドアクアリーズ
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